日本の四季 花の競演
日本の四季JAPAN
5月の花藤(フジ)
「藤」という名前の由来は、花が風に吹かれて舞い散る様子から「吹き散る」が変化して「ふじ」となったという説や、茎に節があることから「ふし」と呼ばれ「ふじ」に変化したという説など、諸説あります。花は蝶のような小花が房状に垂れ下げるように咲きます。つる植物である特性を生かして、公園や観光地などで日除けのために藤棚が作られることが多い植物です。藤の花の咲く季節は春、4月中旬から5月上旬です。最も見頃となるのは5月で、ゴールデンウィークには各所で藤まつりなどが開催されます。色によって若干開花時期が異なり、薄紅、紫、白、黄の順に開花していきます。同じ頃にはツツジやシャクナゲなども見頃を迎えます。
藤の名所
栃木県・足利市 あしかがフラワーパーク
茨城県・笠間市 笠間稲荷神社
兵庫県・朝来市 白井大町藤公園
6月の花紫陽花(アジサイ)
あちこちで梅雨入り宣言が聞かれるようになる6月。その6月の花というと、青やピンク色に色づいた花を咲かせる紫陽花(アジサイ)でしょうか。小さな花が集まって、丸い花の形を作っている姿がかわいらしいですよね。庭に咲いているあじさいが雨に打たれている姿は、何とも風情があっていいものです。6月6日は紫陽花の日ってご存じでしたか? 紫陽花には、魔除けの効果があるとされており、6がつく日に紫陽花を逆さに吊るすと、その紫陽花が魔除けとなり、不運から守ってくれるという言い伝えがあります。 そこで「6」が2つ付く6月6日は魔除けの意味と、この時期は紫陽花が綺麗という事で「紫陽花の日」となったそうです。
紫陽花の名所
神奈川県・鎌倉市 明月院
埼玉県・幸手市 幸手権現堂堤
静岡県・下田市 下田公園
7月の花紫睡蓮(スイレン)
睡蓮(スイレン)は水の上に浮かぶように咲く花が印象的な水生植物です。古くからエジプトでは神聖な花として扱われてきました。花色は白、黄色、ピンク、赤、紫、青紫、青と豊富です。梅雨が明け、7月後半には全国各地で蓮が見頃を迎えました。お寺の本堂などで、蓮の花の絵や、蓮の花をモチーフにした飾りなどを見かけるように、蓮が仏教では極楽の花とされてきたことは皆さまご存知の通りです。確かに、花の季節以外はその存在に気付きづらい沼地から、梅雨の時期にすっと花茎を出し、夏の日差しの中でとても綺麗で大きな一輪の花を咲かせる姿は、他の花々とは明らかに異質で、神秘を感じざるを得ません。
睡蓮の名所
京都府・宇治市 三室戸寺
千葉県・香取市 水郷佐原あやめパーク
岐阜県・関市 モネの池
8月の花向日葵(ヒマワリ)
夏に咲く花の代表的な存在といえば、ヒマワリ(向日葵)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 黄色い花びらを持つ品種が有名ですが、色の濃いオレンジ色や茶色の品種などもあります。 一重咲きのほか、八重咲き品種も見られます。開花は7月から9月にかけてです。ひまわり(ヒマワリ)の花言葉は、「あなたを見つめる」「光輝」。花びらの黄色と花芯のブラウンのコントラストが印象的で、夏の強い陽射しに立ち向かうように茎を伸ばす姿には、思わず目を奪われてしまうもの。凛々しい花の姿にぴったりの花言葉です。
向日葵の名所
北海道・雨竜郡北竜町 北竜町ひまわりの里
茨城県・筑西市 筑西市ひまわりの里
山梨県・北杜市 明野ひまわり畑
9月の花彼岸花(ヒガンバナ)
彼岸花(ヒガンバナ)は、お盆が過ぎたお彼岸の時期に咲くことから名付けられたとされています。また、サンスクリット語に由来する「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という別名でも親しまれています。細い花びらが放射状に広がり、鮮やかに咲く様子から、彼岸花という名のとおりまるで現世で咲く花とは一線を画すほど荘厳な見た目です。彼岸花で敷き詰められた風景は、赤い絨毯のようです。特に鮮やかな赤い彼岸花は、妖艶で印象的です。
そんな赤い彼岸花には「情熱」、「悲しき思い出」、「再会」、「また会う日を楽しみに」といった花言葉があります。
彼岸花の名所
埼玉県・久喜市 権現堂公園
群馬県・伊勢崎市 境御嶽山自然の森公園
奈良県・御所市 九品寺
10月の花秋桜(コスモス)
秋の季節を告げる秋桜(コスモス)の花。その名の通り、桜の花びらのように1枚1枚しっかりと開いた、花らしい形がかわいらしい花です。コスモスの魅力といえば、一斉に咲いた花畑。秋の夕日に映えて、いっそう美しく咲き誇ります。一面に広がるコスモス畑は北海道から九州まで、日本各地で観光地となりSNSでも話題のお花畑スポットになりますよね。10月は見頃本番!青空とのコントラストも美しく、お花畑の写真は見ているだけでもその魅力に癒されますね。
秋桜の名所
埼玉県・鴻巣市 吹上コスモス畑
山梨県・南都留郡 山中湖花の都公園
福岡県・朝倉市 キリンビール福岡工場 キリン花園
11月の花菊(キク)
11月の花といえば、なんといっても菊ではないでしょうか。菊は咲いている期間が長い花として知られていますが最盛期は11月。日本の秋を代表する花である菊。気高さはもとより、日本人の心のあり方を伝える、美と文化の象徴として古くから尊ばれてきました。菊全般の花言葉である「高貴」「高潔」「高尚」は、皇室の紋に定められていることに由来します。明治維新の際は、明治天皇から西郷隆盛に贈られるなど、菊は日本人にとって古くから特別な存在で、品位や品格の象徴とされてきました。
菊の名所
東京都・新宿区 新宿御苑菊花壇展
岩手県・平泉町 中尊寺菊祭り
山形県・南陽市 熊野大社菊まつり
12月の花シクラメン
シクラメンは花の少ない冬に多くの花を咲かせてくれる球根植物です。茎先に花冠が5つに裂けた花が1輪ずつ咲きます。冬のシクラメンは11月頃から5月頃までが開花期となり、育成もとても盛んな時期です。特に、11月頃から12月頃は夏越しした、シクラメンが本格的に咲き、一年のうちで一番美しい、花盛りの時期に入ります。シクラメンの和名は「豚の饅頭(ブタノマンジュウ)」と「篝火花(カガリビバナ)」の二種類の呼び名があります。
花の色は、赤、白、紫色、ピンクなどがあります。現在、グラデーションのかかるものや多弁咲きのものなどが開発されています。
燃えるような花姿とは相反するような花言葉をもつシクラメン。シクラメンの花は花びらが上を向いていますが、じつは花の向きは下向き。下を向いて花粉を守っている姿が恥ずかしがっているように見えたのでしょう。
シクラメンの名所
岐阜県・恵那市 東野シクラメン
東京都・瑞穂町 シクラメン街道
群馬県・邑楽郡明和町 シクラメンまつり
1月の花山茶花(サザンカ)
濃い緑の葉に、ピンクや赤、白などの花を咲かせる山茶花(サザンカ)。山茶花は山口県や四国、九州など、日本の南部を原産地とする花です。赤やピンク、白、複色の花を咲かせます。現在は300種以上の園芸品種がつくられており、日本全国で花の姿を見かけます。山茶花は、香りのよい大きな花を10~2月に咲かせ、11~1月に見頃を迎えます。花言葉は「ひたむきさ」や「困難に打ち勝つ」などです。寒さの中でもけなげに咲く姿が、こういった花言葉を生み出しているのかもしれません。
山茶花の名所
東京都・府中市 東京農工大学
愛知県・豊橋市 医王寺
岐阜県・大垣市 美濃国分寺跡歴史公園
2月の花椿(ツバキ)
椿(ツバキ)は秋から春まで、冬の極寒期以外は花を咲かせる花木です。2月もきれいに咲いているのを見かけます。八重咲きの椿は、バラと見紛うくらいの豪華さです。椿は光沢ある緑の葉と美しい花、日本を代表する花のひとつです。日本に自生しているツバキの仲間はヤブツバキ、ユキツバキ、サザンカ、ヒメサザンカの4種に分けられており、花の形や色は多種多様ですが、ツバキの花は散る際花が丸ごと落ちるのに対し、サザンカの花は花弁がバラバラになって散っていくという特徴があります。
椿の名所
岩手県・大船渡市 世界の椿館・碁石
埼玉県・比企郡滑川町 国営武蔵丘陵森林公園
東京都・利島村 利島
3月の花桜(サクラ)
四季折々の美しさを見せる日本、春といえば桜。桜は、春を象徴する花として、日本人に馴染みが深く、日本で最も有名な花です。桜の蕾がほころび始めるといつ開花宣言がでるのか、いつ満開になるのか、わくわくしてきますね。満開時の樹下でのお花見は、いまや国民的行事とさえいえるほどになっているのではないでしょうか。「古事記」「日本書紀」にも桜に関する記述があり、「万葉集」にも桜を詠んだ歌があります。平安時代以後の日本では、「花」といえば「桜」のことを指すように昔から国花のひとつとして愛でられていたようです。
桜の名所
青森県・弘前市 弘前城・弘前公園
東京都・千代田区 千鳥ヶ淵と皇居周辺
山梨県・富士吉田市 新倉富士浅間神社
4月の花チューリップ
4月は暖かくなりお出かけが楽しくなる時期で、色とりどりのチューリップが一面に咲き乱れる美しい景色は、まるでおとぎ話の世界にいるような絶景です。チューリップと言えば、オランダを連想する方も多いのではないでしょうか。オランダのチューリップ畑は美しく印象的ですよね。しかし、チューリップの原産地はオランダではないのです。チューリップの原産地はスペイン・イタリア・カザフスタン・イラン・中国・西シベリア…など北緯40度一帯だと言われています。私たちが見ることの多いチューリップは、品種改良されているものがほとんどですが、このような気候を好む傾向があります。現在、チューリップの生産が日本で中心になっているのは、富山県と新潟県です。
チューリップの名所
東京都・立川市 国営昭和記念公園
富山県・砺波市 砺波チューリップ公園
長崎県・佐世保市 ハウステンボス